ニコ日記

簡潔に 書いたつもりが 長々と

背圧

うちの研究室の居室は、ビルのワンフロアぶち抜きといった感じで、面積は結構あると思うのですが、100人分くらいの机があるのであんまり広くは感じません。
机10個で1つの島を作っていて、それぞれ研究グループ毎に島が割り当てられています。
机と机の間は特にパーティションで区切られているというわけではなく、島と島の間も本棚で仕切られている程度で、かなり遠くの方の話し声も聞こえてきたりします。


まあ、そんな感じで研究室にいる時は、人の声や放送の音がうるさくてあんまり落ち着けないのですが、それ以外にも困った問題がもう一つ。


私の席の真後ろは助教授のS先生の席なのですが、この先生がとてもとてもおっかない。
まず、顔が恐すぎる。
普通の人が見たら、間違いなくジャパニーズマフィアの顔です。
さらに、かつてはハンドボールの国体選手だったらしく、体格はがっちりしているのですが、最近は運動不足のためかかなりの脂肪をため込んでいて、全体として強烈なオーラを放っています。


まあ、それだけならまだ慣れもするのでしょうが、日常的に誰かを叱ってるので未だにやっぱり恐い。
毎日、研究員、助手、学生あらゆる人が私の後ろで叱られています。
S先生は会計業務を一手に引き受けており、研究室に所属する人は何人たりともS先生の承認無しでは鉛筆一本買うこともできない仕組みになっています。
そのため、必然的にS先生のところへはお金のことで相談に来る人がたくさんくるわけで、物品購入の目的や使途、値引の余地など徹底的にチェックを受ける中でひとつでもまずいことがあると、大抵はこっぴどく叱られます。


悪いのはきちんと先生に説明できなかったり、ふざけた見積もりを飲んだ叱られてる人たちなのですが、それでも大の大人がか細い声で「すみません」を連呼しているのを聞いていると何とも言えない気持ちになってきます。


しかし、S先生がいないとうちの研究室がやっていけなくなる、という認識は研究室の中の誰もがもっていて、その点では人望を得ている「やり手」の先生だということなんでしょうね。


でも、後ろの席に居て欲しくない人だということは、これまた疑いないことです。
S先生とまともに話したことはまだないのですが、いつか先生と宥和することはあるのでしょうか。