ニコ日記

簡潔に 書いたつもりが 長々と

初めてのドラッカー

本屋で目立つ萌え系の表紙でAmazonでランキング入りしている本「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が気になっていたのだが、最近新しくなった大学の生協で見かけてついつい購入。
ドラッカーとは今まで知りもしなかったが、経営学を創始したとも言われる人物らしく、その著作は経営者のバイブルらしい。その中の組織とそれを管理する人間について書かれた「マネジメント」という本のエッセンシャル版の更にエッセンスの部分を小説風にして読み易くしたのが、この本。確かに読み易くて、買ったその日に一気に読了。
なかなか面白い内容で参考になることが多いのは間違いないが、その中でも特に専門家とマネージャーの関係について書かれた部分が興味深かった。
要は、専門家はコミュニケーション能力に難があるために組織の中で能力を発揮させるためにはマネージャーが通訳の役割を果たす必要があるということなのだが、一種の専門家である自分にとっては耳の痛い話であった。技術者や科学者が一般人にもわかるような平易な言葉で自分の仕事を説明することが、資金獲得などの面でいかに重要かということは再三再四言われていることだが、30年以上も前に書かれた本で同様の指摘があるのは驚き。あと、マネージャーは通訳の能力と共に技術を見極める能力が求められるということが書かれているが、これはうちのボスの口癖でもある。若いうちに技術者としてひたすら技術的な知識と経験を蓄えておけば、将来マネジメントする立場になるとき必ず役立つというのがボスの持論で、企業出身者だけに説得力がある。今は自分の研究で手一杯という感じだが、とりあえずはそれでいいんだろうな。うん。