ニコ日記

簡潔に 書いたつもりが 長々と

SPring-8にて思う日本の黄昏

なんと今年3回目のSPring-8出張。
事業仕分けで1/3以上の予算縮減と評価を受け話題になってしまったこの施設ですが、中での実験はいつも通り粛々と行われております。


しかしまあ、今回の事業仕分けの結果についてつくづく思うのは、学術的にも社会的にも他に類を見ない貢献をしてきたこの施設が発展・拡充されるわけでなく予算縮小されるという不思議。
和歌山ヒ素カレー事件や中国農薬餃子事件での使用薬物同定測定で注目されたのはもちろん、多くの優秀な研究者達によってNatureやScienceにも載るような超優良論文を毎年大量に生み出し、あらゆる分野のメーカーが研究開発に利用していて産業的にも重要性を増してきているというのに、この仕打ちといったら何だろう。


言ってはなんだが、これだけコストパフォーマンスの高い事業の高々110億円程度の小さい予算を削ってまで、高速道路無料化とか子ども手当を実現させなければいけないのか?
スパコンについても日立とNECが抜けた時点で計画性の不備を指摘されるのは致し方ない気がするが、それでも十分必要性は高いのにほとんど中止に近い見直しという結果。


もうほんとお先真っ暗ですよ、この国は。
短期的な甘い汁の政策ばっかりで、将来には夢も希望もない。
ここ数年のうちに優秀な研究者や技術者はみんな他国へ出て行くんじゃないだろうか。
もともと理系は給料が少ない上に、こんな仕打ちを受けたら日本に残りたくても残れないだろう。
実は再来年卒業予定の私もそろそろ進路を本格的に考えなければいけない時期なのだが、このまま普通に就職して10年20年と日本に居るべきか本気で迷ってしまっている。
あーあ、何とか結論を出さないとなぁ・・・