ニコ日記

簡潔に 書いたつもりが 長々と

男と真空


今日は一日中実験装置の立ち上げ作業。
半導体関係の装置というと、多くは真空状態にして使用する物が多いのですが、私の場合もそれに漏れず真空装置満載。
最初は全く未知の世界だった真空の世界ですが、足を踏み入れてみるとかなり奥が深くなかなか面白いものであるとわかりました。
真空の主役といえば、やはり真空ポンプ。
一般的に使用されるロータリーポンプは油を撒き散らすためクリーンルームでは使えないので、オイルフリーのドライポンプを使います。
より高真空な領域では、ターボ分子ポンプが主に使われ、用途に応じてイオンポンプやチタンゲッターポンプ、クライオポンプなんていうカッチョイイ名前のポンプが勢揃い。
真空度を保つためには朝昼問わず24時間ずっとポンプは動かしっぱなしで、一度大気に開放してしまうと、ヒーターで温めながら真空引きするベーキングという作業をしなくちゃならない。
それでも、まだ所定の真空度が得られるうちはまだいい方で、どこかから空気が漏れて真空度が悪化する「リーク」が起こると、これを探すのが一苦労。
リークの疑いのある箇所にヘリウムガスを吹き付けながら排気ガス成分を調べるという「リークチェック」を行うのですが、リーク箇所にヘリウムを吹き付けてすぐにヘリウムが検出されればいいのですが、中には吹き付けて1時間後に反応が表れたりするクラックの形態もあって、なかなか一筋縄ではいかない作業なのです。


私の装置は今日初めてポンプを始動したわけですが、もう全然真空度が悪くて、あきらかにどこからかリークしてるという非常に悲しい状態。
明日からは地獄のリークチェック開始。1日で終わればいいのですが・・・