ニコ日記

簡潔に 書いたつもりが 長々と

早食い大食い栄枯盛衰

■早食い大会に参加した女性死亡(asahi.com)


或る意味では最も悲惨な死亡事故ですね。
死亡された方とその遺族は悔やんでも悔やみ切れないでしょう。


2年前に早食い・大食いブームが終焉して以降、TV界では食物に関してかなりセンシティブな自主規制を実施してきたように思いますが、お祭り等のイベントでは今もなお全国でこのような早食い・大食い大会が数多く行われているようです。
しかし、商店街の小さなお祭りなんかでは大した安全対策が取られているとは到底思えませんから、場合によってはこのような悲劇が起こることも必定だったといえます。


2年前のブームのときは、中学生がTVの早食いを真似して給食のパンを喉に詰まらせ死亡するという事件が発生したために突如としてその幕を下ろすことになりました。
当時は新井和響、小林尊、赤坂尊子など個性的な早食い選手(?)たちが人気を集めてましたね。
いずれも体型は普通か細身なのに、食べる段となると尋常ではない量の食物や飲料を、これまた異常な早さで胃袋に収めていくのです。私が初めて見たときは、圧巻を通り過ぎて心配になるほどビックリした記憶があります。
ブームの絶頂時には、どのTV局も早食い特番をいくつも組み、通常のレギュラー番組でも早食いのコーナーを設けたりしてました。それだけ視聴率も取れたのでしょう。
しかし、前述の死亡事件発生と併せて、「食べ物を粗末にしている」という批判も多かったため各TV局は自主規制せざるをえなかったのだと思います。


確かに一度に牛丼50杯とかラーメン30杯というのは一人の人間が食べる量としては無駄が多いですよね。
実際、早食い番組に多く出演していた人たちというのは、消化管が短いか何かで食べたものはほとんど消化せずに排便できるのだそうです。
いつかTVで新井さんが実験をしていて、通常時の体重、大食いした直後の体重、食後1時間くらいで排便した後の体重の3つを測って比べたら、通常時の体重と排便後の体重が同じだったという記憶があります。
ということは、食べ物をそのまま下水道に流しているも同然ということで、やはり無駄にしちゃっていたわけです。
これでは規制されても仕方ないように思います。


そして、この規制の余波をもろに受け、現在も強く影響を受けているのはバラエティ番組ではないでしょうか。
昔はパイ投げとか大量ワサビ寿司とかゲテ物とか普通に放送していたのに、今はほとんど見られなくなりましたよね。
ゴキブリを食べさせられて例え吐いてしまったとしても、ゴキブリは食物とはいえないから食物を無駄にしたことにはならないような気もしますが、そういう映像が見られなくなったのは確かです。
どうしても食物を無駄にしてしまうようなときでも、「あとでスタッフが美味しく頂きました」というようなテロップが必ず出ます。
これらは全て例の規制のせいでしょう。
視聴者からの苦情の電話はもちろん、放送局にはそれぞれ外部の識者による番組審議委員会のようなものがあるので、そこで問題になったのかもしれません。
食べ物を無駄にすることは悪いことではあるのですが、だからこそ食べ物を使ったお笑いが面白いのかもしれません。
なので、あまり規制が強くなってしまうのもお笑い好きとしては寂しい限りなのです。


ま、というわけで、今回の事件で再び規制が強くなることは必至でしょうが、お笑い関係者の方々はなんとか折り合いをつけてほどほどな線で頑張ってほしいと思います。